【アトピーと皮膚科】ドクターショッピングは良くない?病院選びが運命を分ける。
アトピーや皮膚疾患で長年悩まされている人、なかなか信頼できるお医者さんに巡り合えないという人、今ものすごく多いと耳にしたことがあります。
病院をあちこち回って、次から次へ・・・と渡り歩くことを「ドクターショッピング」などとも言われていますね。
なんか「ドクターショッピング」っていう響きがあまり好きではないのですがね。
ショッピングと一緒にすな!って思います。こっちは治療にそれほど必死なんですよ。
◆皮膚科選びは運命をもわける
私が幼稚園の頃、一番最初に通った皮膚科はそう・・・忘れもしない。あの商店街を抜けた小さな個人病院。
やさぐれたおっさんが経営してるのに何故が地元では有名でいついっても大盛況。そこで処方されたものが、私とステロイドの出会いでした。
今思い返してもはらわた煮えくり返るような診察内容だったんですが、なにぶん母も無知で、30年ほど前なのでまだネットも普及してない時代で、ステロイドの怖さも副作用も誰も知る由もありません。
そうです、いわゆる3分診療ってやつで、いや3分もあったらまだいい方。
患者の皮膚疾患の状態なんて見もしませんでした。
とにかくステロイドが無くなったらもらいに行くの繰り返し、エンドレス。
その病院で、なんと私は高校生までお世話になってしまったんです。なんの疑いも無しにただステロイドをもらいに。
完全に、その皮膚科にどっぷりとアトピーにさせられたとまで思っています。
◆昔の医者のアトピー治療は、ひどい診察内容だった
30年前のアトピー治療はどんなものだったんでしょうか?アトピーの患者はどんどん増えだした時代でもあるように思います。
本当、あのおっさんの医者は今でも忘れられません。昔はあのおっさんに限らず、アトピー治療に対してとても傲慢な医者も多かったと聞いたことがあります。
同時に私自身も本当にアトピーに対して無知であったと、後悔しても後悔しきれませんが・・・。
時代も時代だったので仕方がない事なのかもしれませんが、当時アトピー治療にステロイドは絶対的な存在でした。
そしてステロイドの副作用の説明なんて、ほとんどのお医者さんはしてなかったと思います。
「とにかくアトピー患者にはステロイドだしときゃいい。効かなくなったら強めのステを出せばいい。
ステロイドの塗り方や塗る期間は、患者が決めること。私たち医者はただステロイドを処方するだけ」
こんな皮膚科医も多かったのではないでしょうか?
少なくとも私が通い続けたあの個人病院の皮膚科の先生はこんな考えの人でした。
だって患部を見ることすらなかったのですから。
「アトピーです。痒いです。ステロイドが無くなりました。」って言ったら、ハイどうぞです。診察も早かったですよ。
魔法の薬、便利な薬ですよね。でもその副作用の代償が、今大きく取り沙汰されていますよね。
取り沙汰されすぎて、ステロイドがただの恐ろしい薬という位置づけになってしまっているのはちょっと悲しいですが、そうさせたのも昔のアトピーの治療法にあるのかもしれません。
今は時代も変わって、インターネットも普及して、患者さん自身も賢くなっています。同時に皮膚科の先生のアトピー治療の腕もかなり上がったように思います。(例外もあるかと思いますが。)
◆アトピー治療において医者との信頼関係
アトピー治療って、皮膚科の先生からしたらやっかいだと思うんです。
はっきり原因がわかっている皮膚病、例えば虫刺されやイボなどは着実に治療を進めている実感が患者側にも医者側にもあります。
「治す」ことが目的の医者と、「治してもらう」患者側。それで成り立っている病院なのに、アトピー治療に関しては、医者も患者のアトピーの原因もわからないので、「治す」という目的よりも「とりあえずステロイド」しかないんです。
患者も、その「とりあえずステロイド」では完治しないことを重々わかってしまっているんです。
すごく不安定な関係になってしまいます。
だからこそ、アトピー治療に関しては医者と患者の絶対的な信頼関係が大事になってくるんです。
私自身、あのおっさんの医者はもちろんもう行っていませんが、最近まで通っていた皮膚科がありました。
そこでは、初診は色々話を聞いてくださって、うん、うん、じゃあこうしましょうか。なんて具合に、保湿剤やステを数種類処方されました。
「話を聞いてくれた!いいお医者さんかも?」
そう思い、一年弱通ったんですが・・。
少し落ち着いていた症状が悪化してしまった時、またその皮膚科に行きました。
アトピー治療をしていると、悪化したり調子が良かったりの繰り返しですよね。
先生に「またちょっと顔と首が・・・」
と話し始めたら、先生は
「うーん。そうですかぁ・・どうしましょうね・・・どうします?」
という感じで、パソコンの画面を眺めながらマウス片手に私に治療法をゆだねてきました。
私は「また、あの漢方とか飲みだした方がいいですかね?それとも一旦ステで抑えたほうがいいのか・・・」と聞いてみると、
「うーん、漢方ねぇ・・また飲んでみます?出しときますよ~」
とい感じで、無言状態が数秒続く感じでした。
いやいや聞きたいのはこっちだよ。
思わずそう言いたくなったのですが、その場を後にしました。
アトピー治療は先の見えないもので、一進一退、もどかしいものでもあります。
患者の状態が悪くなった時も、しっかり話を聞いて、じゃあこうしてみましょうか?やっぱりこれを塗ってください。など、やっぱり先生の口から聞きたいのです。
先生も、一進一退を繰り返す患者に嫌気がさしてくるのかもしれません。
面倒くさくなってるのかもしれません。
それでもしっかり患者さんの症状をその都度見て、こうしていこう・ああしていこうって、一緒に進んでもらえるのかを患者は見ているんです。
すごく悲しくて、むなしくなって、もうその病院にはさよならしました。
◆ドクターショッピングさせているのは皮膚科の方だ
よく「アトピー患者はドクターショッピングのし過ぎのせいで治療が進まない・悪化させている原因だ」みたいなことも耳にしますが、一概には言い切れませんが、ドクターショッピングをせざるを得なくしているのは皮膚科医のせいでもあるのかもしれません。
ただでさえ忍耐や根気のいる、先の見えないアトピー治療。
それに対して、先にさじを投げているのはお医者さんではありませんか?
私たちは、アトピー治療はもちろん、話を聞いて欲しいんです。そしてその都度、最適な方法を一緒に考えて寄り添って治療を進めていきたいだけなんです。
私のように慢性のアトピーになると
「今すぐここの皮膚科で治してもらわないと困る!絶対完治させてほしい!」
こう思っている人は少ないかと思います。
いかにアトピーを緩和して、現状を落ち着かせて、上手くフェードアウトさせてくれるかなんです。
一進一退する時も、寄り添ってくれるかが本当の信頼関係ではないでしょうか?
(いい時も悪い時も・・・みたいな、まるで夫婦)
少なくとも、症状を診ずにパソコンばっかり見ているような医者はとっととさよならして大丈夫です。
あなたと信頼関係が築けるような皮膚科は必ずあります。長い付き合いになるので、しっかり見極めてくださいね。